
角型タンク搭載漏れ防止構造プレコン地下タンクについて
当社ではこのたび、『角型タンク搭載漏れ防止構造プレコン地下タンク設備』を開発致しました。これは、従来より好評を得ている漏れ防止構造プレコン地下タンク設備に、円筒型タンクではなく新開発の横置角型タンクを搭載したものです。こうすることにより、タンクの容量は同じでも躯体の大きさを従来品よりさらに小さく、コンパクトにすることができる、これが本製品の最大の特徴です。
最近では新築現場は少なく、ほとんどは既に建物が建っている現場での作業が多く、既存の構築物との位置関係や空きスペースの確保等、地下タンク設置の条件は非常に厳しくなってきています。そうした時、「躯体はなるべく小さいほうがよい」というのが工事に携わる方々の潜在的なニーズと考え、これが『角型タンク搭載漏れ防止構造プレコン地下タンク設備』を開発した動機です。躯体の大きさが小さくなると狭い場所にも設置することができ、地下タンクの新設・増設・又は取替の際にこの新製品は極めて有利な製品になると思っております。
角型タンクというと、圧力に弱いのではないか、と御心配を抱く方がおられるかもしれませんが、漏れ防止構造はタンクの周囲を厚さ30cm以上のコンクリートで固めてしまう工法ですから、コンクリートが硬化した後は、外圧・内圧に対してタンク本体は完璧にガードされており、土圧・水圧・地震土圧等の圧力に対する心配は全くありません。
本製品は、危険物保安技術協会(KHK)による性能評価(平成23年4月27日付、危評第0061号)を得ております。これにより、設置現場の所轄消防本部に設置許可申請を出された時、タンクの特異な形状・構造に担当消防官が「許可すべきかどうか」を迷われることなく、全国どの消防本部でも必ず許可される設備となっています。
【1】躯体を小さくコンパクトにすることができる。
【2】その結果、狭い場所にも設置することができる。
【3】躯体が小さいから掘削穴も小さく、土留も少なく残土処理も少なくなる。
【4】角型は圧力に弱いというイメージですが、本品は漏れ防止構造の躯体に組込まれているのでその心配は全くありません。
漏れ防止構造とは・・・
タンクの周囲を厚さ30cm以上の水密性の高いコンクリートですっぽり包み込んでしまう工法です。打設した生コンが固まった後、タンク本体は堅固なコンクリートでがっちりガードされていますから、外圧・内圧に対しても安全で何の心配もありません。
これが当社の自信作、角型タンク搭載・漏れ防止構造プレコン地下タンクです。
横置角型タンク搭載
タンク本体は鋼板製横置角型、その外面は強化プラスチックの防食塗覆施工、プロテクターはFRP製角型で完全防水型が標準装備となっています。
評価番号 危評第0061号
角型タンクについて
消防法ではタンクの形状についての規定はありませんが、どのような形状であっても、その応力の算出が求められ、それが許容応力の範囲内であるかどうかの確認が必要です。当社の角型タンクはこの作業を完結するため、危険物保安技術協会(KHK)による性能評価を取得しています。したがって全国、どこの消防本部にも許可される設備となっています。
工場生産・現地組立て工法
角型タンク搭載漏れ防止構造プレコン地下タンクは、まずプレキャストの鉄筋コンクリート製枠体を工場で製作し、その中に角型タンクを組付け、現地に搬送し、据付け、現地では枠体の内側に水密性の高い生コンを打設し、タンクの周囲を堅固なコンクリートで包み込んでしまう工法です。
地下タンク設備 性能比較表
この比較表はその一例として6,000Lのタンクを比較したものですが、他のタンクにおいても多少の差異はあってもほぼ同程度の結果となります。
比較対照機種
A | 国土交通省大臣官房官庁営繕部設備・環境課監修 公共建築設備工事標準図に図示されているタンク室式6,000L地下タンク設備(TO-6) | の3機種を比較する |
B | 円筒型タンク搭載 漏れ防止構造6,000型プレコン地下タンク設備 (チカタン製の従来品) |
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C | 角型タンク搭載 漏れ防止構造6,000型プレコン地下タンク設備 (チカタン製の新製品) |
1. 躯体の外寸及び体積の比較
比較対照機種 | 躯体の外形寸法 巾×長さ×総高さ |
躯体の体積 (砕石、捨てコンを除く) |
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A | 国土交通省仕様(タンク室式)TO-6 | 2.65m×5.85m×2.5m | 38.8m3 |
B | 漏れ防止構造(円筒型タンク)6,000型 | 2.25m×5.45m×2.535m | 31.1m3 |
C | 漏れ防止構造(角型タンク)6,000型 | 2.15m×4.8m×2.435m | 25.1m3 |
比 較 所 見 |
●躯体の体積比はAを100とした場合、BはAの80%、CはAの65%で、CはAより約35%小さくなり、Bとの比較でもさらに20%小さくなるので、材料、資源の節約に貢献できる。 ●Cは使用材料の量が少なく、躯体の製造コストが低くなり、躯体建造に要する原材料の浪費が避けられる。 |
2. 躯体の平面積の比較
比較対照機種 | 躯体平面 躯体幅×躯体長=平面積 |
面積比 | |
A | 国土交通省仕様(タンク室式)TO-6 | 2.65m×5.85m=15.5m2 | 100% |
B | 漏れ防止構造(円筒型タンク)6,000型 | 2.25m×5.45m=12.3m2 | 79% |
C | 漏れ防止構造(角型タンク)6,000型 | 2.15m×4.8m=10.3m2 | 66% |
比 較 所 見 |
●躯体平面積は、Aを100とした場合、BはAの79%、CはAの66%で、CはAより約34%小さくなり、Bとの比較でもさらに15%小さくなるので、かなり狭い場所でも設置が可能となる。 ●CはAとBに比べても平面積が小さいので、掘削後に用いる砕石量、捨てコン量も少なくできる。 |
3. 躯体の総重量及び1m2当りの重量比較
比較対照機種 | 躯体総重量 (砕石、捨てコンを除く) |
地盤1m2当りに かかる重量 |
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A | 国土交通省仕様(タンク室式)TO-6 | 78ton | (必要な地耐力) 5.0ton/m2以上 |
B | 漏れ防止構造(円筒型タンク)6,000型 | 63.9ton | (必要な地耐力) 5.3ton/m2以上 |
C | 漏れ防止構造(角型タンク)6,000型 | 49.9ton | (必要な地耐力) 4.8ton/m2以上 |
比 較 所 見 |
●Aの場合(躯体+乾燥砂等+上部スラブ+タンク自重+満油時の液体重量)の合計。 ●B・Cの場合(枠体+打設生コン+上部スラブ+上部スラブ下の砂+タンク自重+満油時の液体重量)の合計。 ●地盤1m2当りにかかる重量はCが最も低く、設置場所の地盤の条件が悪くても対応できる。 |
4. 掘削土量及び残土処理量の比較
比較対照機種 | 掘削土量 (全量搬出した場合の残土処理量) |
躯体設置後の 埋め戻し土量 |
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A | 国土交通省仕様(タンク室式)TO-6 | 79.6m3 | 37.6m3 |
B | 漏れ防止構造(円筒型タンク)6,000型 | 49.8m3 | 17.6m3 |
C | 漏れ防止構造(角型タンク)6,000型 | 41.6m3 | 14.7m3 |
比 較 所 見 |
●CはAやBと比べても掘削土量(全量搬出した場合の残土処理量)が極端に少なく、埋め戻し土量も少なくすむので建造コストが大幅に安くできる。(余堀り寸法は下図の寸法として算出した。) ●Cは建設残土の処理にかかる社会的費用が軽減され、環境にやさしい設備である。 |
5. 乾燥砂又は打設生コン量の比較
比較対照機種 | 枠体の中につめる 乾燥砂の量 |
枠体の中につめる 生コンの量 |
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A | 国土交通省仕様(タンク室式)TO-6 | 13.5m3 | ー |
B | 漏れ防止構造(円筒型タンク)6,000型 | ー | 13.8m3 |
C | 漏れ防止構造(角型タンク)6,000型 | ー | 9.3m3 |
比 較 所 見 |
●AとB・Cは枠体の中へつめる材料の違いはあるが、両者の費用の比較にあたっては、Cの方がAより、約1/2の費用で済ませることができる。CはBと比べても現地での打設生コン量は4.5m3少なく、約33%節約でき、コスト削減に大きな効果が期待できる。 |
非常用発電設備の燃料貯蔵に角型タンク搭載
漏れ防止構造プレコン地下タンク設備を!
[ 場所をとらないから、タンクの増設や入替えに最適です ]
漏れ防止構造の据付工事写真
【1】~【11】までの据付工事は、一日で終了します。
【1】躯体吊り降ろし

【2】躯体据付の水平度を確認

【3】側壁躯体の据付完了

【4】逆伏U字溝の組付

【5】消防据付検査

【6】漏れ防止用生コン打設

【7】漏れ防止用生コン打設完了

【8】砂を敷きつめる

【9】上部スラブ組付け

【10】躯体モルタル仕上げ

【11】躯体据付の水平度を確認して据付を完了
